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図形要素


S-57 では、空間的なデータは全てベクトルで表現されます。ベクトルの図形要素は、その図形が点、線、面であるかによって、3種類に分割されます。 点は、孤立しているか、あるいは、どこかの線と接続するかによって、孤立点と接続点に別れます。 つまり、図形要素とは、空間を構成する4種類の要素で、S-57 では、Isolated Node(孤立点)、Connected Node(接続点)、Edge(線)、Face(面)と定義されています。 電子海図では、面はフィーチャーから指される Edge の集合として扱われるので、実際に扱う図形要素は、残りの3種類になります。
具体的にどのようなものか、ASCII 型に変換した後の電子海図の生データと ENCDesigner での表現を対比させながら見てみましょう。

Isolated Node(孤立点、点)
まず、Isolated Node です。Full Topology では、Isolated Node は、どこかの Face に含まれるので、Isolated Node と Face の包含関係が決まりますが、Chain Node のトポロジーレベルでは、ただの点です。 Isolated Node は、さらに2種類にわかれ、2次元のものと3次元のものがあります。
2次元型及び3次元型の Isolated Node の電子海図のフォーマットの例を以下に示します。



2次元型では、一つのベクトルレコードに対して、1組の経緯度が与えられます。しかし、同じ Isolsted Node でも、3次元型は扱いが異なります。使用されるのは水深点だけです。 3次元型の場合は、同じ属性を持つ複数の Isolated Node は、通常1つにまとめらています。これをサウンディングアレーと呼んでいます。

ENC Designer の Geometry Mode で見てみると、2次元型の Isolated Nodeは、緑色の45度傾いた正方形で表示されています。 3次元型は、ENC Designer の Geometry Mode で見ると、×印になります。下の画面では、赤く示された沢山の×印が1つのサウンディングアレーになっています。



(画像をクリックすると、1280 x 1024 ピクセルの画像が見れます)

Connected Node(接続点、ノード)
Connected Node は、Edge の端点または交点です。Connected Nide であるベクトルレコードには、どの Edge が接続されるかの記述はありません。Connected Node のフォーマットの例を以下に示します。



ENC Designer では、Connected Node は○印で表現されます。接続点と書きましたが、Connected Node には、幾つかのタイプがあります。具体的な例で見てみましょう。 ENC Designer の Combi Mode で実体がわかるようにしてあります。



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交点は、上の図の(1)で示したように、Edge と Edge とが交わるタイプです。上の例は、2本の線が交差し、Connected Node でそれぞれ2本ずつに別れています。 番号(2)で示した、3本の線が1つの Conencted Node に集まっているケースが一般的には多いです。(3)の様に Edge が閉鎖している場合、Edge の始点と終点は同じ点になりますが、これも Connected Node です。



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上の図の(5)で示したのは、端点です。線の始点または終点ですが、その点につながる他の点がありません。(6)の例は、図形上は1本の線なのに、Connected Node で線が分断されているケースです。 具体的に、どのようなフィーチャーがこの線を指しているか見てみると、左側の線は、SLCONS(人工海岸線)、左側の線は、COALNE(自然海岸線)から指されています。 指されるフィーチャーによって、1本の線を分断する必要がある場合も、Connected Node が作られます。(7)の例は、この Connected Node の上下とも同じ COALNE(自然海岸線)であるにもかかわらず、 ぞの属性が上下で異なっているケースです。上側は、CATCOA(自然海岸線の種類)が flat coast(平坦海岸)、下側は sand(砂)です。 この時も、空間としての線は連続するものの、属性の違いによって Connected Node が作られます。
Connected Node を直訳すると、「接続した節」ですが、同一の概念がないので、単に「ノード」と呼ぶ場合が多い様です。Connected Node とは、Edge と Edge が論理的に接続している点です。 論理的に接続していない場合は、2つ上の図の(4)の様に Connected Node を作る必要はありません。

Edge
Edge は、必ずある Connected Node を始点とし、ある Connected Node を終点とします。始点と終点がある事から、Edge は方向を持ちます。 中間点を持つタイプと持たないタイプに別れます。下のフォーマットの例は、中間点を持たないタイプです。



下のフォーマットの例は、中間点を持つタイプのもので、中間点を持たないものに対して、SG2D フィールドが加わっています。



中間点を持つタイプのものでも、下の例は、始点と終点が一致している場合があります。この場合、Edge は閉じています。



文字で書かれたフォーマットではわかりにくいでしょう。ENC Designer では、図形に表示すると同時に、Connected Node と Edge の関係、さらには、経緯度の値まで見れます。



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航海用電子海図における図形要素間の特徴は、極一部の例外を除いて、同一データセット内で座標値(経緯度値)に冗長性がありません。





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