COALNE
電子海図での海岸線は、自然海岸線である COALNE と 人工海岸線である SLCONS に分かれます。海図図式に見られる岸線のうち、干出浜や低潮線は COALNE ではなく DEPARE や DEPCNT になります。 下の図は、電子海図で出てくる海岸線を示したものです。仮想的な自然海岸線を ENCDesigner で作って、自然海岸線の種類である属性 CATCOA(Category of coastline、海岸線の種類)を変化させたものです。 紙海図では、岸線の種類に応じて凡例が異なっています。しかし、電子海図では、細い灰色の実線または破線が描かれるだけです。これは、海岸線に対して非対称な図式を ECDIS 上で表現する事が容易ではないため、と想像されます。 では、COALNE と海図図式の岸線とを比較してみましょう。対応表を作ってみました。水色が一致、緑色は完全には一致はしないものの解釈を広げれば一致、黄色はどんなものか不明なため疑問、マゼンタ色は図式対応なし、です。
図式にあって、CATCOA にないもの、岩海岸や石浜のように定義が微妙に違うもの、逆に、CATCOA にあって図式にないもの、など、複雑な関係になっています。滅多にお目にかかりませんが、マングローブの場合は、岸線の位置が正確でないため、CATCOA が指すベクトルレコードの属性の QUAPOS が Approximated になります。 CATCOA の考え方も不自然な部分があります。岸線を構成する物(砂、石など)での区分と、岸線の傾斜の度合いでの区分とが、ごっちゃになっています。物の区分は NATSUR で表現し、傾斜の度合いの属性(S-57 には傾斜の度合いを表現する属性はありません)を付与した方が、合理的に思います。 会社情報 サイトご利用にあたって |
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