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DEPARE


略称 DEPARE
名称 Depth Area
日本語名称 水深区域(または、水深表示区域)
読み方 デプアレ(デップアレ と読む人もいます)
タイプ 面、線
必須属性 DRVAL1(浅い方の水深)、DRVAL2(深い方の水深)
グループ 面のものは1、線のものは2

DEPARE の考え方は、浅い等深線等と深い等深線等に囲まれた区域です。DRVAL1(浅い方の水深)とDRVAL2(深いほうの水深)が必須属性で、一部の例外を除き、この面の中では水深がDRVAL1とDRVAL2の間である事が保証されます。

具体的な例を見てみましょう。下の図を見てください。



(画像をクリックすると、1280 x 1024 ピクセルの画像が見れます)

まず、(1) です。黄緑色に塗られている干出帯です。これは、DRVAL1 が -H (低潮面から陸の高さ)で DRVAL2 が 0m の DEPARE です。船舶が航行できる訳ではないのに、水深区域になっているのは変だと思われるかもしれませんが、干出帯にも負の水深が記載されている場合がある事を考えると、これも水深区域と言えます。
(2) の領域は、DRVAL1 が 0m、DRVAL2 が 2m の DEPARE です。2m の等深線に囲まれています。
(3) は、DRVAL1 が 2m、DRVAL2 が 5m の DEPARE です。一見すると、この DEPARE は海岸線や干出帯の DEPARE と接しているため、DRVAL1 が 0m の DEPARE に見えますが、(2) の DEPARE があるので、DRVAL1 は 2m が正解です。
(4) は、DRVAL1 が 5m、DRVAL2 が 10m、(5) は、DRVAL1 が 10m、DRVAL2 が 20m です。(6) は、DRVAL1 が 20m、DRVAL2 は 200m になっています。
DRVAL1 や DRVAL2 は、電子海図の元となった紙海図の等深線の作り方によって決まります。通常は、
-H、0m、2m、5m、10m、20m、200m
ですが、縮尺によって 2m や、5m の等深線がない場合があります。S-57 では、DEPARE の区切り方に制限はないので、将来的には、1m 単位の DEPARE の入った電子海図が出来るかもしれません。

DEPARE は、DEPARE 同士、及び、他の Group 1 に属するオブジェクトとの間で、深さの不連続があってはならないルールがあります。下の例を見てみましょう。



(画像をクリックすると、1280 x 1024 ピクセルの画像が見れます)

青く囲った DEPARE は、DRVAL2(深いほうの水深) が 5m、赤く囲った DEPARE は、DRVAL1 (浅い方の水深)が 10m です。つまり、2つの DEPARE には、不連続が発生します。現実には、このような不連続は存在しませんが、この縮尺で海図を作った時に、海底地形の傾斜が大きすぎるため等深線が描かれません。この場合、この2つの領域が接する線に対して線の DEPARE(赤線と青線が重なる場所)を作る事によって、DEPARE の不連続を補います。

他の Group 1 に属するオブジェクトとの間にも、深さが不連続の場合、線の DEPARE が作られます。下の例を見てみましょう。線の DEPARE がある場所に赤線を入れました。ちょっと複雑ですね。



(画像をクリックすると、1280 x 1024 ピクセルの画像が見れます)

LNDAREUNSARE との間にも線の DEPARE が作られています。DRGARE を除いたグループ1に属する UNSARE や FLODOC などのオブジェクトは、LNDARE と同じ高さに存在すると考えれば、線の DEPARE の作り方が自動的に決まります。

線の DEPARE を作る上で最も厄介なのは、DRGARE(浚渫区域)との境目です。下の図を見てみましょう。



(画像をクリックすると、1280 x 1024 ピクセルの画像が見れます)

この図で、青く囲んだ領域が DRGARE です。DRGARE も DEPARE と同様に DRVAL1 と DRVAL2 があり、この例では、どちらも 10m になっています。画面右側は、DRVAL1 が 10m の DEPARE で覆われています。S-57 では、深さ 10m の浚渫区域は、10m に限りなく近い浚渫区域と考えます。問題を考えるには、DRVAL1 が 10m の浚渫区域は、DRVAL1 が 9.9999...m の浚渫区域である、とします。この時、DRGARE と DEPARE の間に 0.0000...m のギャップが出来るので、この2つの区域の不連続を補うのに、DRVAL1 が 9.9999...m (実際は、10m)、DRVAL2 が 10m の線の DEPARE を作ります。

さて、DEPARE の表示はどうなるでしょうか。緑色は、水深 0m より浅い場所、即ち、干出帯です。それ以外の所は、浅いほど青くなります。色分けは、紙の海図と違って、ユーザーが ECDIS で定義します。




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