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属性


S-57 には、ベクトルレコードとフィーチャーレコードに対して属性を付与できます。ベクトルの属性は、座標値に対する属性になります。 フィーチャーに対する属性は、地図の概念に対する属性ですが、これは、レイヤー型 GIS の特定のレイヤーに含まれる図形に対する属性と同じです。
まず、ベクトルレコードの属性を見てみましょう。実は、ATTV(Vector Record Attribute) として、S-57 では定義されていますが、実際の航海用電子海図では、使われる事は稀です。下の図は、実際に使われている例です。



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この例は、マングローブの海岸線がある時に、海岸線の位置精度に対する属性です。マングローブの海岸なので、海岸線がはっきり決められません。 この場合、海岸線の位置は approximated、概略の位置になります。

次に、フィーチャーに対する属性を見てみましょう。下の図は、LIGHTS(Light、灯)に対する属性の例です。



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この例では、SIGGRP(Signal Group) が (1)、COLOUR(Color、色) が 1(White、白)、STATUS(Status、状態)が 1(Permanent、恒久)、SORDAT(Source Date、資料の日付)が 19830615(1983年6月15日)、 LITCHR(Light Characteristice、灯質)が 1(Flushing、閃光)、VANMR(Value of Nominal Range、光達距離)が 23(23 海里)、SECTR1(Sector 1、分弧1)が 297(297 度)、 SECTR2(Sector 2、分弧2)が 254(254度)、HEIGHT(Height、高さ)が 30(30 m)、SORIND(Source Indicator)が JP,JP,graph,K1086、 OBJNAM(Object Name、オブジェクト名)が Jougashima Light になっています(画面には、Zyo-ga-Shima Light と文字が表示されています。これは、同じ場所にある LNDMRK の OBJNAM を書いています)。
この説明でわかるように、属性には、属性項目によるデータの型や単位が決められています。また、属性項目は、フィーチャーが決まると、自動的に採りうる項目が決まります。 これらは、S-57 Appendix A の Object Catalogue、及び Attribute Catalogue によって、すべて定義されています。Object Catalogue や Attribute Catalogue は、全世界にあるものを網羅しようと拡張されています。 日本にはないものも数多く含まれ、中にはどんなものか全く見当がつかないものもあります。
画面の赤丸で囲んだ部分は、フィーチャーが LIGHTS であった時に付与できる事が可能な属性項目の一覧です。緑の文字で、示されているのは、条件により必須となる属性です。 また、薄く灰色に示されている属性項目は、S-57 で定義されているものの、航海用電子海図で使用してはならない属性です。

S-57 の Object Catalogue には、フィーチャーの中に含まれるオブジェクトが定義され、付与可能な属性項目が定義ざれています。航海用電子海図製品仕様は、特定のオブジェクトに対して、特定の属性項目が必須である事を定義しています。
具体的な例を示してみましょう。下の例は、OBSTRN(Obstruction、障害物)です。OBSTRN の属性項目は、航海用電子海図製品仕様で VALSOU(Value of Sounding、頂部の水深)と WATLEV(Water Level、水位)が必須である事が定義されています。



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上の図の例は、漁礁です。紙海図には、漁礁の水深は記載されておらず、それを数値化したため、VALSOU には Unknown(未知)が入っています。未知の水深の漁礁は、安全航行上は危険である可能性があるため、画面では赤丸に×印の危険マークとして表現されます。紙海図では魚マークであった漁礁ですが、航海用電子海図では危険マークになってしまいます。安全を優先するので、仕方ないでしょう。