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セルの切り方


セルの切り方は各国の水路機関に任されていますが、4種類のタイプに分かれます。この様子を ChartBrowser で見てみましょう。

1. 紙海図と概ね一致型
大半の水路機関では、航海用電子海図のセルは紙海図と殆ど一致しています。



この例は、英国 の航海用電子海図のセルを示していますが、オーバーラップ部を除いて、紙海図と一致しています。航海者は、航海用電子海図を注文する時に、従来どおりのタイトルで購入できます。


2. 細かいセルに分割
ノルウェー、スウェーデンでは、海域を細かい機械的なセルに分割しています。



航海用電子海図のスキームを紙海図と一致させると、ECDIS は、セルのごく一部しか通常は表示しません。S-52 Presentation Library を遵守して場合によっては数万角形もの多角形の一部を画面に表示する事は、ECDIS の表示機構に大きな負担を与えます。セルを細かく分割する事により、ECDIS での表示速度は向上すると考えられ、このような細かいセルに分割したと思われます。


3. 大縮尺は紙海図と同じ、それ以外は細かいセル
フィンランド、エストニア、ギリシャ、オーストラリアが該当します。下の図は、オーストラリアの例です。



大縮尺の航海用電子海図まで機械的に分割すると、切れ端みたいなセルが出来るので、大縮尺の航海用電子海図だけは紙海図と一致させたと思われます。


4. 過去からのしがらみ
日本と韓国とが該当します。このスキームは、1992年の S-57 Ver.2 に由来します。



セルは経緯度に従って切られているのですが、だからと言って ECDIS のパフォーマンス向上を目的としている節はありません。

このように杓子定規にセルが切られてしまうと、とっても不幸な港が出てきます。清水港です。



紙海図は1枚購入すれば済みますが、航海用電子海図は4セル購入しないといけません。もう少し、何とかならないものでしょうか?



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