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SCAMIN


属性は、特定のオブジェクトにを修飾する情報です。S-57 の中には、ちょっと風変わりな属性が2つ定義されています。これらは、SCAMIN(Scale Minumum、表示最小縮尺)と SCAMAX(Scale Maximum、表示最大縮尺)です。 SCAMIN とは、そのオブジェクトが SCAMIN より小縮尺で縮小表示された時、当該オブジェクトを表示させないための属性です。同様に、SCAMAX は、SCAMAX より大縮尺で拡大表示された時、当該オブジェクトを表示させないための属性です。航海用電子海図製品仕様では、SCAMAX は使用が禁止されています。

具体的な例を見てみましょう。以下の例は、SCAMIN 属性が付与されていない場合の表示です。まず、1/100,000 の表示を見てみましょう。



(画像をクリックすると、1280 x 1024 ピクセルの画像が見れます)

同じセルを 1/200,000 で表示したら、どうなるでしょう。



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だいぶ、ごちゃごちゃになってきました。かなり見にくいですね。では、同じセルをもっと縮小して 1/400,000 で表示したらどうなるでしょうか。



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何が何だかわかりません。これでは、使い物にはなりませんね。

このセルに対して、ENCOptimizer に標準装備されている SCAMIN 設定機能を使って、自動で SCAMIN をつけてみました。縮尺が 1/100,000 の表示は同じですので省略します。 SCAMIN の付いたセルを 1/200,000 で表示してみたのが下の画面です。



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SCAMIN が付与されていない2つ上の画面と比べて随分すっきりして見やすくなっています。この縮尺ですと、水深が画面に表示されません。主要な特徴だけが表示されています。
下の画面は、さらに縮小して 1/400,000 で表示したものです。



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これも SCAMIN が付与されていない画面と比べると、雲泥の差です。あるルールで自動的に SCAMIN を付与するだけで、航海目的の違うセルに切り替えなくても、見やすい航海用電子海図になります。 ECDIS では、同じ場所に 1/400,000 より大縮尺で、かつこのセルより小縮尺のセルが通常はあるので、この画面を見る事はないと思います。

具体的な SCAMIN の値を見てみましょう。SOUNDG(Sounding Depth、水深)の SCAMIN の値は 120000 になっています。実際に 1/120,000 で表示したのが下の画面です。



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縮尺を 1/120,001 にして表示すると、水深が全部消えて、下の画面になります。



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この例では全ての水深が同じ値の SCAMIN 属性を持つため、ある縮尺より小さく表示すると全ての水深が画面から消えてしまいます。 本来は、水深を縮小表示した時は、地形の特徴を表すような重要な水深については、より大きな SCAMIN 値を与えます。つまり、重要な水深は、縮小表示しても画面に残るように電子海図を編集します。




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