S-57の構成
S-57 とは、IHO(International Hydrographic Organization、国際水路機関)が刊行している特殊刊行物です。注文すると、下の写真の様な CD-ROM で来ます。 写真は、S-57 Edition 3.1 です。日本では、これより一つ前の S-57 Edition 3.0 の規格に従っていますが、実際は殆ど同じです エクスプローラーで CD-ROM のファイル構成を見てみたのが、下の画面ハードコピーです。PDF 形式のドキュメントと MS Word 形式が入っています。 S-57 の具体的な構成は、以下の表のようになります。
ページ数を見ると、本文は、さほど大きなページ数にはなっていません。規格のページ数の大半は、Appendix です。その中でも、目立つのは、オブジェクトカタログとアトリビュートカタログです。 概略を説明します。 本文 理論的な内容です。Part 1 がイントロダクション。Part 2 が空間モデル。Part 3 がデータ構造です。通常参照するのは、Part3 です。 オブジェクトカタログ 航海用電子海図で使用するオブジェクトの定義です。GIS で言えば、レイヤーの定義になります。DEPARE とか LIGHTS とかの6文字略語の定義が延々あります。
アトリビュートカタログ 同様に、アトリビュート(属性)のカタログです。オブジェクトカタログと同様、DRVAL1 とか VALNMR とかの6文字略語の定義です。オブジェクトもアトリビュートも日本に存在しないものが含まれています。
オブジェクト、アトリビュートクロスリファレンス アトリビュートがどのオブジェクトで使用されるか、のリファレンスです。
航海用電子海図製品仕様 航海用電子海図と言う製品が S-57 の適用をどのように受け、どのような形で転送されるか、が定義されています。
航海用電子海図でのオブジェクトカタログの使い方 航海用電子海図を作る場合の、オブジェクトやアトリビュートの付与方法が説明されています。
CRC のコード CRC のプログラムが印刷されています。
INIT 1 から S-57 へのクロスリファレンス 国際海図図式 INT 1 を S-57 にする場合の定義が図式で示されています。
推奨される航海用電子海図エラーチェック 航海用電子海図の論理的なエラーチェックルールが記載されています。
データディクショナリー製品仕様 データディクショナリーと言う製品仕様が S-57 の適用をどのように受けるか、が定義されています。
メンテナンスドキュメント 規格が決まってからの修正のドキュメントです。
Appendix B.1 と Appendix B.2 が章立て上、対等の関係にあります。S-57 では、現在は、この2つの製品仕様が規定されています。「S57 = 航海用電子海図」と考えがちですが、これは間違いです。 そもそも、S-57 の本名は、 「IHO Transfer Standard for Digital Hydrographic Data」 です。S-57 は、デジタル水路データを転送するための IHO の規格であって、航海用電子海図だけの規格ではありません。 現在は航海用電子海図に対して厳密な規格化が進んでいる段階です。製品仕様として、水路機関が刊行する航海用電子海図以外の製品もいずれ規格化される事になるでしょう。 会社情報 サイトご利用にあたって |
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