航海用電子海図の航海目的と縮尺の関係
紙海図は縮尺が異なると、航海目的が異なってきます。例えば、日本全体が含まれるような総図を使って、東京湾の中を航海する事は不可能です。日本の紙海図は、縮尺に応じて航海目的(種類)が変わってきます。
航海用電子海図は、S-57 で Inteded Usage によって、1 から 6 まで、航海目的が別れています。ただし、縮尺による航海目的の区切り方は、各国の水路機関に委ねられています。日本の場合は、以下のようになっています。
電子データで縮尺による違いがある事自体、変な気がします。ここで言う縮尺とは、編集縮尺、すなわち、この縮尺でこの電子海図を見れば、わかりやすくみえますよ、と言う意味です。 実際は、航海用電子海図の元となった紙海図の縮尺によって航海目的を区切っているだけです。 さて、これを、縮尺別に分けてみましょう。ちょっと複雑です。
この表を見て、変だと思いませんか?紙海図をデジタル化して、そのまま航海用電子海図を作っているのなら、紙海図の航海目的と同じ航海目的の電子海図が同じ縮尺(本当は2倍の縮尺)で区切られて生まれるはずです。 実際は、それぞれの航海用電子海図の航海目的に対して、アプローチ図などと言ったちょっと風変わりな名前がついています。 航海目的と縮尺を決めるのは、各国水路機関の勝手ですが、紙海図のように、航海目的を定義してもらいたいところです。 日本では、かつて、S-57 Version 2 の規格に基づいて E7001~E7004 が作られました。現在刊行されている E3001 ~ E3004 は、このデータを変換及び編集して作成されました。 S-57 Version 2 は、縮尺と航海目的の関係が決まっていました。日本の電子海図の航海目的の区分けは、かつての規格とも違うようです。
S-57 Version 2 での Scale Code は、S-57 Edition 3 では Intended Usage に該当します。Version 2 の規格では、1つのファイルは、区切りの良い経緯度線で切られていました。 現在のセルの切り方は、これをそのまま引きずった方式になっています。 会社情報 サイトご利用にあたって |
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